日本マンション学会 鎌野新会長あいさつ

日本マンション学会・会長就任の御挨拶

2017年5月10日
会長 鎌野邦樹(早稲田大学法科大学院教授)

御挨拶に代えて

本年4月22日の名古屋大会において会長を拝命いたしました。マンション学会の紹介や活動等の詳細は、当ホームページの関連箇所をご覧いただくとして、この場を借りて、特に最近入会された会員の皆様に向け、日本マンション学会(1992年創立、2010年に一般社団法人)の初期の状況と、私の当学会との係わりを述べて、御挨拶に代えさせていただきます。

マンション学会設立時の状況

当学会の設立は1992年ですが、私の入会は、1995年の横浜大会での研究報告(当時41歳)を契機とします。受付にて報告者である旨を伝えると、会員登録を促され、その瞬間に「ゲストスピーカー」(謝金あり)から「会員」(入会金支払い債務発生)に替わりました(入会の意思表示につき法的には争う余地はありますが、時効により消滅(笑))。それは、これまでの歴代会長である丸山英氣・折田泰宏・山本育三・梶浦恒男および現監事の藤本佳子の各先生(1992年のマンション学創刊号にはこれらの各先生の御論文が掲載)ほか数名の研究者・実務家によって当学会が創設されてから間もない時期でした。当時は、整備された規程や常設の事務局もない状態での「任意団体」として、とにかく急速に増加しつつあったマンション(1992年末のマンション戸数252万)をめぐる諸問題について、学際的・業際的に、管理組合の方々と共に考えていこうという状況でした。

マンション学会と私

入会して以来、マンションは、私の民法研究の中での主要なテーマのひとつとなり、様々な学問領域や職種の研究者・実務家の方々から、多くのことを教えていただきました。そのおかげで、1997年には稻本洋之助先生(当学会名誉会員)との共著である区分所有法のコンメンタールを刊行することができ、また、2001年にはマンション学12号掲載の論文が、当学会の第1回「論文賞」を、近江隆先生と共にいただくことができました。

マンション学会の使命

現在、当学会は、一般社団法人となり、会員数700名を超え、複数の支部・研究委員会を有し、学会誌を年3回発刊し、年1回の大会のほかシンポジュウムや国際交流を行い、整備された規程や事務組織を備えるようになりました。マンションの住戸数が約620万戸となり、マンションをめぐる多様な数多くの新たな問題が発生するなかにあって、当学会は、市民・住民も含む学際的・業際的な団体として、今後ますますその社会的な役割や使命が大きくなると思います。このような役割や使命を果たすために、当学会の一員として、しばらくは先頭に立って、先人達が営々と築きあげてきた学術的・実務的蓄積を発展させ、さらに、それらを後に続く若い研究者・実務家・会員のために引き継ぐために、微力ながら力を尽くしていきたいと思います。どうぞ、ご協力・ご支援をお願い申し上げます。

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