会長より、第8期会長の就任にあたって

 

 

 

日本マンション学会第8期会長
鈴 木 克 彦(京都橘大学教授)

 このたび、本年4月22日に開催されました理事会のご推挙により、日本マンション学会第8期(2023~2024年度)の会長に選任されました。2期目となりますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。 昨年に本学会は設立されて30年になりましたが、いよいよ「マンションの価値は管理で決まる」時代を迎え、改めてマンション学のさらなる発展に向けて重責を感じている次第です。

 本年度の学術大会は4年ぶりに、4月22日(土)~23日(日)に京都工芸繊維大学において通常の対面方式にて開催いたしました。久しぶりに対面方式で行われた京都大会には全国や海外から200名を超える皆様が集い、学術上の交流を深めると共に旧交を温め合いました。また、大会前日に開催された市民シンポジウムにも約150名の参加があり、たいへん好評でした。まだまだコロナ禍の影響がある中でこれほど多くの市民の参加があったことは、マンションの普及とともに発展してきた本学会への期待が大きいことを示した大会となりました。

 大会中に開催されたメインシンポでは「社会的資産としてのマンション再生・長寿命化への道すじ」をテーマに、「社会的資産」として永く暮らすことのできる豊かなマンション居住の実現に向けての方策について幅広く議論いたしました。また、本シンポの基調講演として、昨年10月11日に亡くなられた小林秀樹先生が生前に収録されたビデオを上映させていただき、小林先生のご業績を讃えると共にマンション管理のあるべき姿について共有いたしました。

 また2日目には、法務省大臣官房参事官と国土交通省住宅局参事官をお招きして、「区分所有法制等の改正に関する意見交換会」も100名近くの参加者のもと開催されました。マンション管理計画認定制度が施行され、今後ますますマンション管理の重要性が認知される時代を迎えようとしていますが、区分所有法制の見直しについて本会会員との意見交換会が設けられたことは、マンション管理に関する知見を蓄積してきた本学会への期待の表れと言えるでしょう。今後は、マンションに関して多彩な関係者が集う本会会員の皆様の意見を集約した上で、区分所有法改正やマンション政策等に対して提言を行っていく予定です。

 これまで多くの実績を残してきた本学会ですが、本会への期待はより一層高まっており、今後ともマンション学研究の意義と役割を再確認して学会活動を推進していくことが大切と考えています。そのためには、豊かなマンション居住に向けて委員会活動や支部活動などをより一層活性化しつつ、その成果を社会に還元していくことで社会の要請に応えていくことが学会の役割と考えています。今後とも、会員の皆さまのより一層のご支援、ご協力をいただきながらマンション学研究をより充実させ、社会の要請に応えられる学会として発展すべく責務を全うさせていく所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

ページトップへ