会長より、新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。本年も会員皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
1割以上の国民がマンションに居住する時代となり、マンションは都市住宅としてしっかりと定着しました。一方で、築40年を超える高経年のマンションも急速に増加しており、持続可能な維持管理が求められる時代となりました。令和4年には地方公共団体がマンション管理組合の運営状況や経理実態、修繕計画などをチェックする「マンション管理計画認定制度」が施行され、マンションの管理に対する関心はより一層高まっています。それに伴い市場環境においても、マンションの管理評価と流通市場の連動が効果を上げて持続されるような改革が求められています。「マンションの価値は管理で決まる」と言われて久しいですが、いよいよ管理状況でマンションの価値が評価される時代を迎えようとしています。
こうしたマンション管理の種々の課題解決に向け、法務省や国土交通省ではマンション関連法制の見直しに向けた検討が行われていますが、昨年に開催された学術大会におきましても「マンション再生を考える-どうする区分所有法!?」をメインテーマとしてシンポジウムと分科会を開催いたしました。全国各地から多くの会員のご参加をいただき、韓国からの参加者も交えて大変盛り上がった大会となりました。改めてご協力いただきました関係各位には心より御礼申し上げます。
本年度の学術大会は、横浜市の開港記念会館を会場にして4月19~20日に開催されます。大会のメインテ-マは「マンションの未来を創る(仮)」で、メインシンポは「マンション法の改正を踏まえた未来~シン・社会的資産としてのマンション~」と題して開催されます。約20年ぶりの区分所有法の改正や、マンション管理適正化法、建替え円滑化法などの改正を踏まえ、安心安全に暮らすことができ、資産価値の維持向上だけではなく、地域の資産ともなるマンションを適正に維持管理していくには何が必要か幅広く議論される内容となっています。その他にも8つの研究分科会が開催される予定です。横浜市で21年ぶり開催される大会に多くの会員の皆様が集い、意見交換できることを心より楽しみにしております。
多彩な立場の会員が集って学術交流を深めているのが本学会の特徴ですが、豊かなマンション居住に向けての社会の要請に応えていくために、会員の皆様もそれぞれの立場から本学会をご活用いただくと共に、本年もマンション学の発展と普及のためにご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。